臨時教職員ハンドブック2007 〜権利獲得のあゆみ・臨時教職員の法的根拠〜 ■権利獲得のあゆみ I 臨時教職員の法的根拠 1.定数内臨時的任用教諭(定数内臨任)などの常勤 2.産・育休代替 3.病休代替(介護休暇代替) 4.非常勤講師 ■権利獲得のあゆみ ◇86年・常勤者の政府管掌健康保険と厚生年金保険への加入実現 ◇89年・非常勤講師の「年休権」獲得 ◇90年・常勤講師から臨時的任用教諭(臨任教諭)への名称変更 を行い、給与が「1級格付け」から正規教員と同等の「2級格付け」 へ改善 ◇91年・非常勤講師に対する労災保険適用の実現 ◇92年・採用選考試験受験年齢制限の引き上げ(「35歳」から 「50歳」へ) ◇92年・定数内臨任が妊娠した場合、産休前日までの辞令が出さ れることに ◇94年・非常勤講師雇用保険適用条件の緩和(「週あたり22時間 以上」から「20時間以上」へ) ◇95年・臨任教諭の退職手当の支給割合が、0.6から1.0へ 改善 ◇99年・臨任教諭の給与頭打ちの改善(2級26号俸へ(旧給料表)) ◇00年・病休代替者の持ち時間が、病休者の持ち時間×85%から、 病休者の持ち時間×100%へ改善 ◇02年・教員採用選考試験の問題が、持ち帰り可能になる ◇06年・臨任教諭と実習教員の任用の年齢制限が撤廃(60歳まで) ・臨任教諭の給与の前歴換算が改善(経験6年目以降も 同業種の場合12ヶ月で4号(新給料表)上位に) ・非常勤講師も、教職員住宅への入居が可能になる ◇07年・履歴カードの電算化 ・臨任教諭は、人事評価の対象外に I 臨時教職員の法的根拠 1.定数内臨時的任用教諭(定数内臨任)などの常勤 定数内臨任教諭・養護教諭・実習教員・事務・司書・現業職員・寄 宿舎指導員などの常勤教職員の法的根拠について、県当局は「地方公 務員法第22条2項による」と説明しています。任用の年齢制限は60歳。 【地方公務員法第22条2項】 人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、人事委員 会規則で定めるところにより、緊急の場合、臨時の職に関する場合又 は任用候補者名簿がない場合においては、人事委員会の承認を得て、 六月をこえない期間で臨時的任用を行うことができる。この場合にお いて、その任用は、人事委員会の承認を得て、六月をこえない期間で 更新することができるが、再度更新することはできない。 具体的に「緊急の場合」とは、「例えば災害が発生しその復旧に緊 急の人手を要する場合、年度中に施設が完成して供用され、正規の職 員を補充するまでとりあえず、要員を充足する必要がある場合」など (『解釈通覧 地方公務員関係法』総合労働研究所)であり、「臨時 の職に関する場合」とは、「臨時的任用を行う日から1年以内に廃止 されることが予想される臨時の職に関する場合をいう。具体的には、 業務が一時的に多忙となる時期に雇用される労働者などが該当する」 (同上)と解釈されています。また「任用候補者名簿がない場合」と は、一般に「志願者がいない場合」であり、そのような事態になって いませんし、採用試験に「合格した者の名簿がないから」と解されて は採用予定者を実際に必要な数よりも低く押さえている中では、まっ たく理由になりません。 また、辞令は初めに6ヵ月のものが出され(多くは4月1日から9 月30日まで)、さらに6ヵ月更新する(10月1日から3月31日 まで)という形がとられています。もう1年定数内臨任を行うには 「再度更新することはできない」わけですから、3月31日の1日を 空けて、再度雇用し直すことをしています。明らかな制度上の矛盾で す。 埼高教は、定数内臨任はすべて正規で採用するよう要求しています。 2.産・育休代替 産休代替は「女子教職員の出産に際しての補助教職員の確保に関す る法律」によって、育休代替は「地方公務員の育児休業等に関する法 律」に基づいて任用されています。 3.病休代替・介護休暇代替 現在のところ教職員が病気休暇、あるいは介護休暇にはいったあと に、代替教員を補充する制度は、法的にはありません。病休期間30 日以上の場合に、予算措置で代替が配置されています。 高校は非常勤で、障害児学校は常勤で配置されています。 4.非常勤講師 県立高校の非常勤講師は、地方公務員法第3条3項3号の「特別職」 に該当されています。 年齢制限は65歳。 <発行所> 臨時教職員ハンドブック2007 2007年10月発行 発行 埼玉県高等学校教職員組合臨対部 〒330−0063 さいたま市浦和区高砂3−12−24 埼玉教育会館6F TEL 048−822−7421 FAX 048−832−6791 ホームページ http://203.138.51.201 メール info@saikokyo.or.jp |